法則 theorem 2003 6 8
本日の新聞の書評欄には、参考になる記事がありました。
現在の不況が続けば、日本に階級社会ができるという。
どういう階級かと言えば、
年収が1億円以上の金持ちと、
年収が300万円台の一般サラリーマンと、
年収が100万円台のフリーターの3層階級になるそうです。
教育も、住宅も、医療も、階級別に分けられるそうです。
確かに、そのとおりになる可能性があります。
今までの日本には、年収が700万円前後のサラリーマンが多かったのです。
要するに、中流階級が一番、多かったのです。
しかし、これは、資本主義社会の法則からすれば、異常な構造です。
資本主義が進行すれば、中流階級はなくなり、
資産がある階級、金持ち階級、それ以外の階級の、3階級だけになります。
だから、中流階級ばかりの日本は、異常だったのです。
なぜ、中流階級ばかりが多かったかというと、
日本は、看板は資本主義国だったのですが、
中味は社会主義国だったのです。
外国から見れば、日本の政策は、社会主義的な政策だったのです。
社会主義的な政策の例として、法律や行政指導があります。
行政指導等によって、自由な市場ではなく、保護管理された市場ができます。
保護管理された市場とは、競争のない市場です。
競争がなければ、勝つ者も負ける者もいません。
それゆえ、中流階級ばかりになったのです。
国によっては、資本主義社会の法則により階級社会ができてしまったので、
その修正のために、資本主義に一部社会主義を導入して、国を運営しています。
しかし、この方法では、社会は安定しますが、発展はしません。
なぜならば、アクセルを踏みつつ、ブレーキを踏むようなものです。
このような社会を望まないならば、資本主義社会を選択することになります。
さて、資本主義社会がもたらす階級社会の弊害、
この弊害を防ぐには、どうするか。
階級社会を打破するにはどうするか。
2つの方法があります。2つの方法を同時に行なう必要があります。
規制緩和と教育の充実です。
規制は成功者を守ります。
規制があれば、新規参入者を阻止しますので、成功者はいつまでも成功者です。
それゆえ、新規参入しやすい方向で規制緩和を積極的に推進し、
新規参入者を、法的にも経済的にも支援する必要があります。
教育を充実させることです。
資本主義社会においては、基本的に、高度な教育を受ければ受けるほど、
所得が高くなります。
所得が高い家庭は、高度な教育を子供に受けさせることができます。
所得の低い階級ができてしまうと、高度な教育を受けさせたくても、
所得が低いので、学費を支出することが困難です。
その結果、所得の低い階級に育った子供は、高度な教育を受けられなくて、
所得が低いという、悪循環の中に入ってしまいます。
所得が低くても、高度な教育が受けられる制度を作るべきです。
こういう制度を作らないと、階級社会ができてしまいます。
資本主義社会においては、基本的に、高度な教育を受ければ受けるほど、
所得が高くなるのです。これは法則です。
だからこそ、これからの時代は、教育が重要となるのです。
21世紀には、科学技術の高度な進化により、
大学で行なう授業は高校で、高校で行なう授業は中学で行なうようになります。
この教育進度についていけない人達は、低い所得階層に落ちる可能性があります。
それゆえ、学習速度の速い生徒には、飛び級制度で対応しますが、
学習速度の遅い生徒には、手厚い学習支援が必要となります。
復習授業を中心としたプログラムがよいでしょう。
勉強ができない子供は、1回授業を聞いただけでは、理解できません。
何度も何度も、復習してマスターして行くものです。
勉強ができる子供は、1回授業を聞いただけでマスターしてしまいます。
ですから、勉強ができない子供と勉強ができる子供が、同じクラスですと、
混乱の原因になります。