死とは何か thanatopsis 2003 8 25

 身近にあふれている死。
交通事故で、毎日のように発生する死者。
ニュースで、死者の数を聞かない日はない。
テレビのドラマでも、死がでてくる。
最近は、子供のアニメでも、簡単に死がでてくる。
 しかし、最近では、誰も、死とは何かを知らない。
現代においては、核家族化が進み、死に直面することがなくなった。
昔ならば、大家族であったので、十年か、二十年かに、一度は死に直面する。
今では、近親者の死に直面しても、死者の身支度を葬儀屋に任せている。
 死とは、体が冷たくなることである。
夏でも、死者の体は冷たい。
昔ならば、自らの手で、死者の体を拭き、死者の体を清めた。
自分の配偶者、自分の親ならば、そうしたいと思うでしょう。

 近所で、こんなことがあったそうです。
小学生の子供が、ハムスターを飼っていたが、
夜には元気だったが、朝には、死んでいることに気づいて、
冷たくなったハムスターの体を、いくら手で暖めても、
ハムスターの体は、決して暖まることなく、
蒸し暑い夏の朝、
ハムスターの体の冷たさが、子供の手に伝わってくるだけだった。

 平均寿命まで、何十年もあると考えているならば、
それは、幸福かもしれない。
夜に命があっても、朝に命があるとは限らない。
 一日一生。
これは、死に直面した人が実践することではない。
寿命が長いと考える人こそ、実践すべきである。