宦官 kangan, vices of bureaucracy. 2003 8 3

 現代日本人が忘れたもの、それは武士道精神です。
武士道精神を忘れた代わりに、臆病を身につけました。
 ここで、思い出すのは、「宦官」という制度のことです。
宦官とは、後宮に仕えた、去勢された男子のことです。
宦官は、臆病でしたが、皇帝の身辺に仕えたことから、
しばしば、権力を握り、弊害をもたらす者が絶えませんでした。
これが、漢という帝国を内部から崩壊させる原因となったのです。
今の日本人は、みんな宦官のようなものです。
 しかし、昔の日本では、このような者は、少数派でした。
たとえば、ヤマトタケルは、今では、神話の人物になってしまいましたが、
実在の人物です。
ヤマトタケルは、戦場にて、苦境に立った時に、
自らの退路に火を放ちました。
自ら退路を絶ったのです。
これは、外部の敵ではなく、内なる敵に勝つためでした。
今の日本人は、異質なのです。
「出でよ、ヤマトタケル。
 出でよ、織田信長。」
閉塞感の漂う日本では、そう願わざるを得ません。
 武士道とは、日本特有のものではありません。
ヨーロッパには、騎士道があります。
もっとも、最近のヨーロッパの人達も、騎士道を忘れています。
 日本では、勇気を忘れ、臆病を身につけた人が多くなりました。
武士道を忘れ、宦官となったのです。