徳治社会 2010 11 14

 発展する中国において、欠けているものは何か。
そして、これから必要とされるものは何か。
 西欧には、ノブレス・オブリージュという考え方があります。
これは、フランス語で「高い身分に伴う義務」と訳されます。
 この意味は、権力を得て、富も享受できる者にとっての「最高の名誉」とは、
社会の発展のために、私財を投ずることであるという意味に近いと思います。
これが、「本当の貴族」です。
 「貴族」と「拝金主義者」は、違います。
ノブレス・オブリージュがあってこそ、貴族と言えるのです。
ノブレス・オブリージュがない人たちは、単なる拝金主義者です。
 ノブレス・オブリージュは、中国風に言えば、
徳を積む、あるいは徳ある人物になっていくということでしょう。
 別の言い方をすれば、徳を重視する社会、
つまり徳治社会こそ、社会の王道です。
拝金主義者があふれる社会は、「獣の社会」と言えるでしょう。
 先に豊かになった者が、自発的に、後れている者を助ける。
これこそ、徳治社会の鏡であり、社会の安定に大きく寄与するのです。

王道と覇道 2010 10 24

子曰、「道之以政、斉之以刑、民免而無恥。
    道之以徳、斉之以礼、有恥且格。」(論語)

先生が言われるには、

「国民を導くのに、数々の政治的規制を用い、
 国民を治めるに、刑罰をもって臨むならば、
 国民は、規制や刑罰を免れさえすればよいと考えて、
 悪いことをしても心に恥じることはなくなる。

 国民を導くのに、政治家の優れた人格による徳を用い、
 国民を治めるに、道徳的規範として礼節を用いるならば、
 国民は、悪事に対して心に恥じることになり、
 自ずから国民は善に至ることができる」。

 法律や刑罰による政治と、徳と礼節による政治を比較し、
後者こそ政治の基本であると述べた。
 いくら規制や法律を作っても、政治家に徳と礼節がなければ、
国民は、うまく規制や法律を免れることばかり考えて、
結局、これは、国全体のモラルの低下を招く。
 政治家が自ら襟を正し、人格的な高潔さと礼節をもって、国を治めれば、
国民は、政治家を鏡として、自らを律することとなり、国は治まる。
















































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