(株)中華人民共和国 2009 9 6

 中国という国がわかりにくいと思う人が多いでしょう。
政治的には、共産主義国なのに、
中国へ行けば、どう見ても資本主義国に見える。
貧富の差は、アメリカ以上かもしれない。
 私も不思議に思っていました。
商売が得意な中国人が、いつまで共産主義を続けられるのかと。
 株式会社中華人民共和国。
そう考えれば、謎は解けるでしょう。
民主主義国においても、会社では、民主主義は行われていないでしょう。
まさか社長を社員による選挙で選んでいる会社はないでしょう。
社員から見れば、社長も会長も、いつの間にか決まっているという感じでしょう。
 胡錦濤会長に温家宝社長。
これで、中国という国がわかりやすくなったでしょう。
 書名 株式会社中華人民共和国
 著者 徐 静波  PHP
 日本の大物政治家が、政治交渉のために中国に行っても、
なかなか思い通りにならない。
 そりゃそうでしょう。
この本によれば、胡錦濤氏も温家宝氏も、貧しい家庭に生まれ、
つまり中国13億人の底辺から、13億人のトップにまで登りつめたのです。
一方、日本の大物政治家は、二世議員とも世襲議員とも言われています。
 13億人の底辺からトップまで登りつめた政治家と、
親が有力な政治家で、二世議員とも世襲議員と言われる政治家。
どちらの方が、交渉力が強いでしょうか。
 さて、次の国家主席と予想される、習近平氏の経歴もあります。
習近平氏の父親は国務院副総理で、習氏は「太子党」と言われます。
太子党とは、中国の政治家二世グループのことです。
「これで、ほっとした。やっと同レベルなった」と思うのは間違いです。
 習氏は、15歳のとき、文化大革命にあい、父は免職・監禁され、
習氏も、中国西部の最貧困地区の農村で肉体労働に従事したのです。
 19歳のとき、やっと推薦で清華大学に入学することができ、
卒業後、エリートコースに就職したが、わずか2年で、
自ら希望して農村に行くことになったというのです。
 日本で例えれば、永田町の防衛大臣の秘書官でありながら、
志願して、遠隔地の辺鄙な農村の副町長を務めるようなものだった。
24年間の努力の末、やっと市長になったという。
 あまり目立つことが得意でない習氏は、
ずっと注目されなかったが、4年前、浙江省の書記を務めたとき、
連続して3年間、浙江省がGDPの伸び率全国一を記録したことで、
習氏の存在が注目された。
(以上、この本から引用)
 日本の二世政治家は、親の権威によって、初めから中央政界で出世し、
中国の二世政治家は、地方で実力を証明してから中央で出世する。
 なんだか、次の時代においても、
日本は、外交交渉に苦労しそうですね。
 しかし、日本企業の実力は、とりわけ技術力は世界トップレベルです。
経営陣も、同様と言えるでしょう。
悲観することなく、自信を持って、堂々と行動しましょう。
 話題を変えます。
少し気が早いと思いますが、この本には、
次の次の国家主席候補者の顔ぶれも紹介しています。
中国でビジネスをする人にとっては、この本は必読と言えるでしょう。














































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