第二段階 2009 2 1
書名 恐慌第2波
著者 門倉 貴史 角川SSC新書
確かに、今は、第二段階に来ているかもしれません。
危機の焦点は、金融危機から、実体経済の危機へ移りつつあるでしょう。
病気で言えば、急性期から慢性期になったかもしれません。
しかし、慢性期になったからといって、安心はできないのです。
日本のバブル崩壊後の「失われた10年」で、
よく「不良債権処理が遅れた。もたもたしていた」と言われますが、
それには理由があるのです。
不景気の進行によって、
正常債権が要注意債権へ、要注意債権が不良債権へと、
底なし沼のように転落していったのです。
つまり、不景気によって、
正常債権→要注意債権→不良債権と劣化していったのです。
そういうわけで、いつになっても、
不良債権処理は終わらなかったのです。
その結果、実体経済の危機が金融危機へ戻ってきたのです。
金融危機→実体経済の危機→金融危機という悪循環に陥ったのです。
金融危機を乗り切れば、それで終わりではないのです。
その後が、長く、つらい戦いです。
さて、この本には、驚くようなことが書いてあります。
(以下、引用)
巨額に上る借金を抱えて、返すあてもなくなった米国は、
借金を減らす最終手段として、デノミネーションを実施する恐れがある。
ある日、突然、デノミネーションを実施し、
旧ドルと新ドルの交換比率を10対1などと勝手に設定すれば(以下、省略)。
あるいは、新通貨への移行という荒業を行うことも考えられる。
アメリカは、北米自由経済圏で「アメロ」という共通通貨の導入を検討中と、
言われており(以下、省略)。
(以上、引用)
「そんなバカな。あり得ない」と思った人は、いつも危機で損をするタイプです。
少なくとも投資家には向いていません。
投資家で最終的に生き残るのは、10人に1人です。
常に、あらゆるケースを想定しているが、生き残る投資家です。