書評 book review 「国債」 2007 6 10
書 名 国債の知識が面白いほど身につく本
著 者 前田 佳彦
出版社 中経出版
この本については、過去に一度取り上げたことがありますが、
今でも、国債について、一番わかりやすい本なので、
また紹介することにしました。
最近は、地方自治体においても、地方債の発行で、
マスコミで記事になる時代です。
この本は、地方自治体で債券発行の事務を担当する職員にも参考になるでしょう。
国債と聞くと、株式の投資家は、「関係ない」と思うでしょうが、
しかし、株式投資と国債は関係があるのです。
それは、この本によると、以下の内容です。
「円相場と株式相場、国債相場はセットでみる」
「国債相場は円相場、株式相場と密接に関係している」
(以下、省略)
さて、投資というと、株式投資を連想しますが、
実は、債券投資もあるのです。
そして、ある意味で、株式投資より債券投資の方が難しいし、
債券投資の方がリスクも高いのです。
国債は、満期まで所有していれば、安全な投資です。
問題は、国債を、中途換金して、
つまり、満期前に、市場で、市場価格で売却して、
キャピタルゲイン(儲け)を得ることが難しいのです。
債券価格が上がるか下がるかを予想するのは、かなり難しいのです。
たとえば、利回り3%の10年満期国債を持っていて、
翌年は、利回り1%の10年満期国債が発行されるようになったら、
債券価格(国債価格)は上がっています(キャピタルゲイン)。
(利回り1%の国債よりも、利回り3%の国債の方が価値があります)。
(国債の利率は、満期まで固定です)。
しかし、翌年、金利が上がるか下がるかは、
誰にも予想できないのです。
そういうわけで、株式キングはいないけれど、
債券キング(債券王者)は存在するわけです。
誤解がないように書いておきますが、
今まで書いてきたことは、通常の国債であって、個人向け国債のことではありません。