書評 book review 「小さな政府」 2007 4 22

書 名 「小さな政府」を問いなおす
著 者 岩田 規久男
出版社 ちくま新書

 「小さな政府」がよいのか、
それとも「大きな政府」がよいのか、
議論が尽きないでしょうし、
もしかすると、永久に決着がつかないかもしれません。
あるいは、悪く言えば、議論が堂々巡りしているかもしれません。
 そんな時の政策評価に、歴史的な視点から検証を加えれば、
議論がすっきりするかもしれません。
 この本には、そういう視点があります。
たとえば、このような記述があります。
「イギリスは戦後いち早く『小さな政府』から『大きな政府』に転換して、
福祉国家のお手本の国になったが、
1980年代には、今度は世界に先駆けて、
『小さな政府』に転換したユニークな国である。」
 政策の是非を考えるときに、
つい水平的な視点で考えてしまうかもしれません。
つまり、同じ時間軸で、他国は、どうしているのかと。
 しかし、「垂直的な」視点も考えるべきだと思います。
要するに、政策評価に、歴史的な視点を加えるということです。
 「歴史」というと、数百年前や数千年前のことを連想してしまいますが、
ここ最近の「50年や30年」の歴史も重要だと思います。
 学校の授業の進め方の問題だと思いますが、
現代史を、授業で教えなかったり、
教えても、時間がないので、軽く触れるだけで終わりにしてしまう。
 しかし、現代を生きる我々にとって、
最も重要なのは、現代史であると思います。














































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