ファクタリング

 今日は、日本の昔話をしましょう。
最初に、お断りしておきますが、
こうしたケースは、一部のケースだったと思われます。
また、手元に当時の資料がないので、正確ではないかもしれません。
 これは、1989年ごろの話だったと思います。
当時、日本経済は、バブル経済の頂点だったと思います。
 この当時、土地の登記簿謄本を見ると、
抵当権設定の記載欄が、バブル経済を証明していました。
 1番抵当権の欄が銀行であることは、問題ないでしょう。
たとえば、A銀行が抵当権を設定したとしましょう。
 問題は、2番抵当権の欄です。
「A銀行ファクタリング」という会社が、抵当権を設定していたのです。
場合によっては、3番抵当権の欄にも、
A銀行を連想させるような会社が、抵当権を設定していたのです。
 つまり、A銀行本体だけでなく、
A銀行の子会社や、A銀行の関連会社までも、「融資」をしていたのです。
こうして、土地の妥当な評価額を大きく超える過剰融資が発生しました。
 このような過剰融資が、バブル崩壊で、どうなったか。
それは、想像するだけでも、恐ろしいでしょう。
 さらに問題なのは、土地を担保に借金をした会社です。
何に、お金を使ったか。
こうした資金を設備投資に使えば、まだ、ましだったと思われます。
 当時は、「財テク」というものが、流行していました。
かつて、日本では、不動産価格というものは、右肩上がりに上昇するという神話があり、
その価格上昇が、バブル経済によって、さらに加速していたのです。
 その上、当時の株式市場は、
「上がるから買う、買うから上がる」というバブル状態だったのです。
 はたして、銀行やその関連会社から、多額の借金をした会社が、
真面目に設備投資をしたか、それは想像がつくでしょう。
 その後、バブル崩壊で、どうなったか。
それは、まるで終戦直後の焼け野原のような、つまり「経済的に焼け野原」となったのです。
 さて、21世紀初頭の今、世界を見てみると、
気のせいか、似たような状態になっている国があるように感じます。
(注)
ここで使う「ファクタリング」は、和製英語です。
英語のfactoringは、違う意味になると思います。
もしかすると、「A銀行ファクタリング」という会社も、当初は、
英語のfactoringという仕事をしていたのかもしれません。














































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