アモルファス 2009 7 19

書名 へんな金属 すごい金属
著者 齋藤 勝裕  技術評論社

 この本では、おもしろい金属が次から次へと紹介されています。
理科や科学が嫌いという人でも、きっと楽しく読める本です。
たとえば、「透明な金属」、「風船のように膨らむ合金」、
「自分の形を覚えている金属」、「気体を吸収する金属」、
「お湯で融ける金属」、「ペストにかかる金属」、
「水で爆発する金属」、「液体で固まった金属」など。
 実は、金属という分野は、高度に発達した現代科学でも、
まだ解明できていないことが多いと言えるでしょう。
 金属というと、何を連想するでしょうか。
硬貨でしょうか(昔は、銀貨というものがありました)。
いや、最近、ブームの金貨や金(ゴールド)でしょうか。
それとも、大昔からなじみのある鉄でしょうか。
あるいは、技術者は、触媒として素晴らしい働きをする
プラチナ(白金)を連想するでしょうか。
 連想するだけでも楽しいでしょう。
しかし、材料は、実にシンプルです。
すべての金属が、陽子、中性子、電子という、
三つの粒子の組み合わせで作られています。
金も銀も鉄も、すべて同じ材料で、
単に陽子、中性子、電子の数が違うだけです。
 「銀貨より、金貨の方がほしい」と、多くの人が思ったでしょう。
でも、金も銀も、材料は同じで、陽子(電子)の数が違うだけです。
 使われている材料が同じで、構造も同じで、
単に陽子(電子)の数が違うだけだから、
金も銀も、ほとんど同じと言ったら、言いすぎでしょうか。
 さて、日本は、資源小国とよく言われます。
しかし、金属を研究することによって、
そういう弱点は克服できると思います。
むしろ、金属という分野で、日本は大国となる可能性があります。
 アモルファス金属という言葉は、あまり聞いたことがないでしょうが、
実は、この金属は、金属の新しい歴史を作ることになるでしょう。
やがて、アモルファス金属において、
これまで知らなかった金属の優れた性質に気づくことになっていくでしょう。
 後世の人たちは、歴史書に、こう書くでしょう。
20世紀までの人類は、金属と共に生活をしていたが、
金属が持つ優れた性能を知らなかった、いや気づかなかったと。















































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