Ti 2008 7 5
鉄の時代からチタンの時代へ
チタンという金属は、どういうイメージでしょうか?
鉄に比べて強度が強く、しかも、鉄に比べて非常に軽い。
なおかつ錆びにくい(プラチナや金のように強い耐蝕性があります)。
さらに金属疲労が起こりにくい。
つまり、高級な金属というイメージでしょうか。
そういうわけで、レアメタルと勘違いするかもしれません。
しかし、実は、チタンは、ありふれた元素で、
地球には、大量に存在する元素と言えるでしょう。
もっとも工業的には、チタンは新しい金属と言えるでしょう。
昔は、高価な金属でしたので、戦闘機や潜水艦など軍事利用が大部分でした。
チタンは、精練や加工など技術的な問題で、
ありふれた元素にもかかわらず、高価な金属だったのです。
しかし、最近は、技術の進歩で、
身近な日用品に、たとえばアクセサリーやメガネのフレームにも使われるようになりました。
発展途上国では、相変わらず、鉄が使われるでしょうが、
技術先進国においては、「鉄の時代からチタンの時代へ」となっていくでしょう。
炭素繊維 2008 3 1
最近、2008年度の鉄鉱石価格は、前期比65%アップで決まったというニュースが、
日本の産業界では、衝撃的なニュースになっています。
これからも、鉄鉱石の価格は、急上昇するかもしれません。
おそらく、後世の人たちは、「あれは鉄鉱石バブルだった」と言うことになるでしょう。
中国では、現在、「鉄の時代」を迎えていますが、
日本は、「鉄の時代」から「炭素繊維の時代」へと移っていくでしょう。
車のボディは、鉄ではなく、炭素繊維で作ることが常識となっていくでしょう。
おそらく、今後、技術力のある国では、
「炭素繊維の時代」が花咲くことになり、
鉄は、発展途上国において、産業用の基本素材として使われていくでしょう。
日本の産業界は、鉄鉱石の高騰を心配しているようですが、
それは、過去のことになってしまうかもしれません。
鉄鉱石の高騰を心配するのは、技術力のない発展途上国の仕事になるでしょう。