居安思危 2008 3 16

書名 中国沈没
著者 沈 才彬  三笠書房

 祖国への熱い思いなのか、
「それでも、21世紀中には、中国はアメリカを抜く。
数多くの困難を乗り越えて」
そういう思いが、行間から伝わってくる。
 やがて超大国化する中国には、死角がないのか。
「年間30メートルの速度で北京に迫る砂漠化」(同書から)
地球規模で起きつつある気候変動が、
やがて超大国化するはずだった中国の道を塞ぐかもしれません。
「気候変動が大帝国を消し去った」と、後世の歴史家は書くかもしれません。
 もうひとつ、あります。
こういう指摘をする人がいます。
 この本にはありませんが、
宗教が超大国化する中国の道を塞ぐかもしれません。
 世界最大級のイスラム教徒を有する中国。
インドネシア、パキスタンに次いでムスリム(イスラム教徒)が多い。
 あるいは、地下水脈のように広がっているキリスト教徒。
さらに、墨子が説いた墨教は、キリスト教に近い。
 いや、そうではない。
イスラム教でもなく、キリスト教でもなく、
儒教が、超大国化する中国の道を塞ぐかもしれません。
儒教の復活、儒教の復古運動が大きな流れとなるかもしれません。
 さて、私からも、ひとつ言いたいことがあります。
イエスキリストが生まれてから、2000年経過し、
世界には、数多く、軍事大国や経済大国が発生しました。
 しかし、歴史の風雪に耐えられず、
まるで川面に浮かぶ泡のごとく消えていきました。
遺跡を見れば、「ああ、ここに大帝国は存在していたのだ」と思うかもしれません。
 2000年経過しても、なお輝き続けるものは作れないのか。
今の中国には、500年、1000年単位で物事を考える人はいないのか。
そうであるならば、今の中国も、
まるで川面に浮かぶ泡のごとく歴史の彼方に消えていくでしょう。
 未来の探検家。
砂漠に立ち、「ここに、北京という、大帝国の首都はあった」と。
この時代にも残った漢詩で、砂漠に沈んだ大帝国のことを記すかもしれません。
「居安思危」
この諺には、平時に有事を想定し、危機管理を徹底するという意味がある(同書)。
















































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