グリーンスパンだけじゃない 2008 10 25

 アメリカでは、今、グリーンスパン前FRB議長が、非難の嵐の中にいます。
多くの専門家は、グリーンスパン氏が、
あまりにも長期間にわたって低金利を維持しすぎたと批判しています。
それが、不動産バブル、証券化バブル、そして信用バブルを招いたと。
 その論理で言えば、日本も、同罪と言わざるを得ないでしょう。
グリーンスパン氏と一緒に、世界同時バブルを招いたという点で。
日本の場合は、グリーンスパン氏よりも、
かなり長期間にわたって低金利を続けました。
しかも、超低金利を続けたのです。
 マネーに国境がない現代において、こんなことを長期間続けたら、どうなるか。
どこかの国がバブルとなるでしょう。
いや、日本の巨大な資金量を考えれば、世界同時バブルが起きたでしょう。
極論すれば、今回の世界同時バブルの金主(資金源)は、日本だったのです。
 しかし、だからといって、日銀を非難するのは、気の毒でしょう。
日銀は、問題点を認識していたと思います。
本当の問題は、日銀に対して、利上げをしないように、圧力をかけていた、
政治家、学者、評論家でしょう。

昔の教科書 2008 7 5
 昔の教科書には、金利を引き下げれば、
「株価は上昇し、景気はよくなる」と書いてあったでしょう。
 しかし、現代において、こんなことをすると、大変なことになります。
昔だったら株価に向かうはずの「過剰流動性(金余り)」が、
原油相場や商品相場を高騰させ、世界経済を不安定にしてしまいます(2008年7月当時)。
 つまり、マネーに国境がない現代においては、
自国で「過剰流動性効果」が発生しなくても、思わぬ国でバブルが発生してしまいます。
 「経済的な鎖国」をしていれば、
「金利を引き下げると、素直に、株価は上昇し、景気はよくなる」となったでしょう。
 しかし、現代において、先進国で、「経済的な鎖国」を実施している国はないでしょう。
近年は、金融自由化が時代の主流でした。
つまり、「マネーに国境がない時代」になったのです。
 そんな状況で、
「金利を引き下げれば、株価は上昇し、景気はよくなる」は、取らぬ狸の皮算用でしょう。
 もちろん、金融危機が発生した場合は、緊急に金利引下げは必要でしょう。
しかし、これは、あくまでも緊急で一時的な政策です。
 昔、こんな話を聞いたことがあります。
「若い時に覚えた安酒は、金持ちとなった今でも忘れられない」
 これは、学問でも同じです。
時代が変わったのに、昔、学んだ学問にしがみついていることを象徴しています。





















































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