防衛産業 2010 8 29
書名 誰も語らなかった防衛産業
著者 桜林 美佐 並木書房
防衛産業というと、大企業を連想するでしょうか。
しかし、それは間違いです。
大部分は、中小企業や零細企業、月並みな言葉で言えば「町工場」です。
そういう町工場で働く職人による職人芸が、日本の防衛産業を支えているのです。
このように言葉で説明しても、なかなかイメージがわかないと思います。
そこで、それを説明する、ちょうどよい本が見つかったのです。
この本は、日本の防衛産業を支える「町工場」に取材に行った結果をまとめた本です。
「町工場で働く職人による職人芸が防衛産業を支えている」と書きましたが、
長年続く、防衛費の削減により、こうした職人も、
引退か廃業の危機に瀕していると聞いたことがあります。
あるいは、国を守るために、たとえ利益が出なくても、
「この仕事を続ける」と決心した職人も、
廃業した他社の仕事も引き受けるために、
過重な労働になっているという話もあります。
国防というと、最前線で働く自衛官に注目が集まりますが、
こうした職人の仕事にも注目してもらいたいと思います。