金融と経済 2010 5 1

 いつからだったでしょうか。
金融が実体経済を振り回し、いや実体経済を支配するようになったは。
この10年、いや20年近く前からだったでしょうか。
 金融技術が乏しく、工業国家の日本は、
金融の時代に、あるいは金融資本の時代になって、
著しく劣勢となりました。
かつてジャパン・アズ・ナンバーワンと言われたのが、
夢幻のように思えるようになったのです。
 一方、いち早く金融国家に脱皮したアメリカは、
不死鳥のごとく甦り、世界経済の中心となったのです。
 現在、そのアメリカで、金融規制の強化や、
巨大金融機関への調査が始まったというニュースを聞くと、
「いったいアメリカは、どこへ行くのか」と思います。
再び低迷の時代が始まるのか。
 金融国家から工業国家に戻るのは、難しい。
現在、巨大な新興国が存在します。
その新興国をたたけば、解決するか。
いや、違います。
 工業国家に必要なのは、技術革新や生産技術の維持向上であって、
労働組合の保護ではありません。
 もちろん、労働者の正当な権利は常に遵守すべきです。
また、こうした権利を守る労働組合は必要です。
 しかし、労働組合が、政治運動化してしまうと、
本来の存在目的から逸脱していると言わざるを得ないのです。
 もし、労働組合が、技術革新や生産技術を阻害しているならば、
金融の規制ではなく、労働組合の規制が必要となるでしょう。

アメリカ製品 American-made products 2005 10 1
 アメリカは、1960年代の後半において、
ベトナム戦争による軍事費の膨張と、
「偉大な社会」建設のための社会福祉費支出の増加が、
インフレを招きました。
 そして、このインフレは、アメリカ製品の価格上昇を招き、
その結果、優秀なアメリカ製品は、
西ドイツや日本の製品に対して、競争力を失ったのです。
 貿易摩擦を、為替の問題として考え、
為替を調整すれば、すべて解決すると考えるのは、誤りです。

















































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