塩基(ATGC)について
先日は、いきなり塩基配列を書いたので、
わかりにくかった人も多いかと思います。
そこで、塩基記号(ATGC)について、
大雑把になりますが、わかりやすく書きたいと思います。
DNAの塩基は、4種類ありまして、
アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトニン(C)となります。
DNAは、二重らせん構造になっていて、
まるで、ねじれた梯子のような形です。
塩基の組み合わせは、相手が決まっています。
(DNAの二本鎖)
A→T、T→A、G→C、C→G。
DNAは、生命の設計図と言われるのに、
「こんなに単純なのか。これでいいのか」と思われるでしょう。
しかし、続きがあるのです。
DNAの二本鎖が解けて、RNAに転写されると、また別の仕組みがあるのです。
たとえば、具体例として、塩基配列を書いてみましょう。
(DNA)TACCTCCTGATT
(RNA)AUGGAGGACUAA
DNAからRNAに転写される時、やはり、塩基の組み合わせは、相手が決まっています。
A→U、T→A、G→C、C→G(A→Uとなるところが、ちょっと違います)。
そして、このRNAの塩基配列が、3文字1組で、アミノ酸に対応するのです。
だから、4*4*4=64通りとなります(これで、少し複雑になります)。
そういうわけで、RNAの塩基配列を3文字ずつ区切ると、以下のようになります。
AUG GAG GAC UAA
AUGは、アミノ酸のメチオニン(開始)に対応、
GAGは、同じくグルタミン酸に対応、
GACは、同じくアスパラギン酸に対応、
UAAは、終止を意味します。
さて、アミノ酸は、20種類です。
「あれ、また単純な組み合わせに戻ってしまった」と思うかもしれません。
しかし、アミノ酸をつなげて作るタンパク質は、数万種類あります。
アミノ酸を、短く、つなげて、タンパク質を作ってもよいし、
アミノ酸を、思いっきり長く、つなげて、タンパク質を作ってもよいのです。
しかも、材料(アミノ酸)が同じでも、立体構造が違えば、また別のものになります。
そういうわけで、これで、生命の設計図が、やっと「複雑」になったと思います。
大雑把な説明になりましたが、わかりやすくするためです。