アナリスト analyst 2003 8 8
日本の金融業界においては、証券業界の方が、銀行業界より、進化しているでしょう。
なぜならば、証券業界のアナリストは、
財務諸表や 土地などの資産だけで、企業を分析しているわけではありません。
「財務諸表は、誰でも知っている。それは、過去の数字だ。」と、
投資家に言われるだけです。
証券業界のアナリストは、財務諸表や資産だけではなく、
企業の事業計画を重視して、分析します。
だから、いつも、アナリストは、商品情報や技術情報を集めて、腕を磨いているです。
それに比べて、銀行の融資は、
相変わらず、財務諸表重視でしょうか。
さらに、土地という担保中心主義でしょうか。
しかし、最近、大きく成長していった新興企業は、土地など持っていませんでした。
土地は、都市部の一部を除き、まだ、下落傾向です。
バブル期に比べれば、今の土地の値段は、激安価格となっているはずです。
しかも、土地は、首都圏の農村における農業従事者の高齢化の問題があります。
つまり、首都圏においても、農業従事者が高齢化し、
しかも、農業後継者がいない状況にありますので、
潜在的な土地の供給があり得ます。
つまり、首都圏の農村における農業従事者の高齢化の問題が解決しないと、
耕作者のいなくなった農地が、供給される可能性があるのです。
今でも、土地の需要は弱い状態で、このような状態で、
土地が供給されると、土地の値段が下がります。
担保としての土地の価値が、低下する時代がくる可能性があります。
これからの時代は、融資は、過去の数字である財務諸表や土地などを中心とした考え方から、
事業計画中心の融資に改めるべきです。
確かに、土地を担保にすれば、安全で楽かもしれませんが、
しかし、それでは、いつまでたっても、融資担当者の実力がつきませんし、
ある意味では、楽ですので、融資担当者の怠慢とも言えるでしょう。