ドンキホーテ Quixote 2003 9 2

 世の中には、「ドンキホーテ型」と「ハムレット型」があります。
たとえれば、官僚が「ドンキホーテ型」で、政治家が「ハムレット型」です。
 政治家が、なぜ、公社公団や特殊法人の改革ができないか。
これは、政治家が、官僚を恐れているからです。
政治家は、官僚の反発を招かないように、
さらに、官僚の歓心を買うように努力してします。
 なぜ、こうなのか。
実は、今の政治家には、政策を作る能力はありません。
政策は、官僚に作ってもらっているのです。
 官僚に耳打ちされて、官僚にアイディアをもらって、
さも自分が考えたように、自分の政策のように発表しているのです。
そんな政治家を、若手官僚は、笑っているのです。
こういう状態ですので、政治家は官僚の歓心を買うように努力するのです。
 政策ならまだいいが、
国会の質問や国会の答弁、さらに、自分のあいさつ文、コメントまで、
官僚に作ってもらっているのです。
 このような状態で、官僚に逆らえば、どうなるか。
政治家の仕事ができなくなるのです。
 だから、政治家は、官僚の牙城である公社公団や特殊法人の改革はできません。
若手官僚は、こんな政治家を見て、バカだと思うのです。
だから、こんなバカな政治家を選んでいる有権者も、バカだと見るわけです。
 しかし、若手官僚が退職して、自分で事業などを始めると、
国民はバカでないことに気づくのです。
自分がドンキホーテだったことに気づくのです。
政治家がバカなら、有権者もバカであるとは、勘違いなのです。
 さて、政治家は、時代の要求である改革をしなければならないと思うのですが、
官僚の歓心も買いたいと悩み、なかなか決断や行動ができないのです。
こうして、政治家はハムレットになるわけです。