浮世離れ

 住宅街を見て、「どうして家と家がくっついて建っているの?
そんなに仲がいいの? 仲がいいから家と家をくっつけて建てたのかな」
 お友達の家の中を見て、「どうして、そんなに狭い家に住むの?
そんな狭い家に住むから、君は目が悪くなるんだ」

 庶民感覚からすれば、唖然とする話ですが、
金持ちの家に生まれ、裕福な環境で育った子供たちには、
こうした発想は、ごく自然な発想です。
 もちろん、これは金持ちを批判しているわけではありません。
金持ちが金持ちとして生活している分には問題ないでしょう。
 問題なのは、こうした子供たちが大人になって、
政治家や官僚、学者になったら、どうなるか。
 ごく自然に「浮世離れした政策」を作ることになるのです。
これが、今、日本にある重大な問題点です。

治安 public order 2005 3 1

 日本は、治安のよい国と言われてきたのに、
その治安に、不安が漂います。
どうして、そうなってしまったのか。
 その原因のひとつに、こういうことがあると思います。
今までの日本社会では、
「才能や財産がなくても、努力していれば、いつか報われる」という社会だったのです。
これが、犯罪に対する抑止力になっていたと思います。
また、終身雇用制や年功序列制も、犯罪に対する抑止力だったと思います。
 しかし、今の日本は、
「才能や財産がないと、成功しない社会」に近づいていると思います。
あるいは、「親が有力者でないと、成功が難しい社会」になっていると思います。
 これでは、一般の人に、特に若者に、
「自棄になるか、娯楽に逃避する」という傾向が出てくると思います。
 また、終身雇用制や年功序列制が崩壊すれば、
これもまた、社会の不安定要因になります。
 今の日本、あまりに経済効率性を求めすぎています。
経済効率性を求めた結果、治安が悪くなったということでは、何の意味もありません。
 日本の伝統は、みんなで助け合いながら、社会を築いてきたのです。
日本人の国民性を尊重しながら、経済効率性を求めるべきです。














































トップページへ戻る