竹光 2004 2 27

 「竹光」とは、広辞苑によれば、
竹を削って、それを刀身とした刀です。
 本物の刀身は、どうしたのか。
それは、武士が、生活に困って、質屋に売ってしまったのです。
こうして、江戸幕府を支えてきた武士たちが没落していくと、
江戸幕府も、没落していったのです。
 しかし、これは、笑い事ではありません。
現代でも、あり得る話です。
たとえば、カメラメーカーの経営者が、経営成績を向上させるために、
社員をクビにして、人件費の安い国で、カメラを生産させる。
こういう方法ならば、短期間で、経営成績が上昇し、株主に喜ばれます。
 しかし、これは、現代の「竹光」なのです。
こういう企業は、江戸時代の武士と同じ運命をたどります。
 将来、新聞社も、こうなるかもしれない。
新聞社が、新聞記事を、新聞制作会社に業務委託する。
こうなっては、おしまいですが、あり得ない話ではありません。
新聞記者という仕事は、かなり重労働な仕事です。
その重労働な仕事を嫌う傾向が、若者にはあります。
 今、日本を見渡せば、
このような「竹光現象」が、たくさんあるでしょう。
しかし、これでは、やがて、江戸幕府と同じ運命をたどります。
 日本のセールスポイントは、何でしょうか。
資源ですか。資源はありません。
農産物ですか。農産物を輸出するほど、国土は広くありません。
 日本のセールスポイントは、科学技術と生産技術です。
その科学技術と生産技術が、海外に流出してしまえば、日本は終わりです。
これが、「亡国の物語」です。
 この「亡国の物語」を語る人が多いでしょう。
そんな人に騙されてはダメです。














































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