職業教育 2010 11 20

 最近、メディアでは、大学生の就職難という報道が多くあります。
これは、主に「国内の不景気」と「長期にわたるデフレ」が原因と思われます。
 ただし、職業における「ミスマッチ」はあると思います。
少し昔話をしましょう。
私の中学校時代の同級生は、30人クラスで、
大学に進学した人は、10人にも満たなかったと思います。
 中学校時代、「僕は大学に行く」と級友に言うと、
「お前は、そんなに勉強が好きなのか」と、よく、からかわれました。
 高校は、進学校に行きましたので、
「もう、そんなことで、からかわれることはない」と安心していたら、
今度は、近所の人たちに、同じようなことを聞かれたのです。
 多くの同級生たちは、卒業後、どこへ行ったのか。
高校卒業後、あちこちにできた工業団地に就職したケースが多かったと思います。
 当時は、工業高校や、「高専」と呼ばれた高等専門学校に人気があったのです。
女性は、商業高校だったと思います。
 今は、みんな普通高校に人気が集中して、
工業高校や高専が苦戦していると聞きます。
そして、長年続く少子化に反して大学の数は増え続けました。
 大学の学問とは、抽象化の学問です。
社会全体のニーズを考えると、
抽象化した学問を取得した人に対するニーズは、一定数しかないと思います。
にもかかわらず、大学の数は増え続けました。
私の故郷では、昔は、大学というと、
国立大学と、私立大学が二つぐらいしかありませんでした。
今は、私立大学が、各地に、たくさんあります。
 「地元の工業団地に就職先がなくなったから、
その受け皿として、私立大学が増えた」と言う人もいます。
 私が思っていることは、抽象化教育に力を入れすぎて、
職業教育を軽視してきたように感じています。
 日本人の手先の器用さは、世界トップレベルです。
そんな日本人が、みんな、抽象化の象徴である大学に行くのは、少し変だと思います。
日本人の手先の器用さを生かす職業教育は、何とかならないものでしょうか。
 日本では、職人に対する評価が低すぎると思います。
「優れた職人」に対する社会的な評価をもっと向上させるべきです。
 もう一度書きますが、
日本人の手先の器用さは、世界トップレベルです。
それを生かしきれてないと思います。
 ところで、なぜ、高専は人気化しないのでしょうか。
一概には言えませんが、大学卒業よりも、高専のほうが就職に有利だと思います。













































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