金と鉄

 子育てにおいて、女の子は「金」で、
男の子は「鉄」のように育てると言えるかもしれません。
 「金」は、金細工を見れば、わかるように、
ていねいに、優しく取り扱う必要があります。
 一方、「鉄」は、鍛えれば鍛えるほど、
強くなると言えるでしょう。
 しかし、現実は、逆になるかもしれません。
女の子は、比較的、自立が早く、
一方で、男の子は、いつまでも母親に甘える傾向があります。
 こうしてみると、子育てにおいて、父親の役割が必要となるでしょう。
仕事が忙しくて、子育てを、すべて、母親に任せてしまうのは、
将来において、問題が発生することになるでしょう。
(もっとも、父親が「親ばか」ですと、さらに問題が深くなるでしょう)。

親ばか fond parents 2005 10 7

 知人の話を聞いて、驚きました。
それは、知人が卒業した大学の話です。
 「学生は、お金がないから、大変だろう」と思って、
大学OBが、お金を出し合って、山小屋のようなものを作って、
そこで合宿をすれば、お金がかからないだろうという昔話です。
 ところが、最近、その山小屋は、あまり利用されていないそうです。
なぜかというと、そういうところは汚くて、嫌がる学生が増えたのです。
「合宿は、旅館やホテルで、やりたい」と言い出す学生が多いのです。
そして、結局、夏合宿は北海道、冬合宿は九州となったそうです。
 こうした費用は、どこから出ているのか。
知人は、「ばか学生と親ばか」がセットになっていると言っていました。
 昔は、学生の下宿とは、四畳半の部屋に、共同のトイレ、
風呂はないので、銭湯に通ったのです。
だから、冬は銭湯から下宿まで帰ってくるうちに体が冷え切ってしまい、
夏は、銭湯から下宿まで帰ってくるうちに汗だくになってしまいます。
(これは、学生には収入がないので、当然で当たり前の生活環境でしょう)
 しかし、今は、そういう下宿は嫌われ、
ワンルームマンションに「下宿」するそうです。
 自分で稼いだ「お金」ならば、何に使おうと問題ないでしょうが、
親の「お金」で、贅沢三昧の生活になっています。
 こんな快適な生活をしていれば、「ニート」へ一直線でしょう。
わざわざ快適な生活を捨てて、地獄のような会社生活は、したくないでしょう。
 「気に入った仕事があれば働くけど、そうでなければ嫌だ」。
「会社の人間関係が合わないから、別の会社を探す」。
 快適な大学生活をしていれば、誰だって、そうなるでしょう。
「親ばかが、日本を滅ぼす」と、知人が言っていました。

豊かさとは true affluence 2004 6 15
 子供にとって、物質的な豊かさは、毒となります。
大人は、なぜ豊かなのか、理解できますが、
子供には、それが理解できません。
子供は、豊かであることが当然と考えるのです。
 ここに不幸があるのです。
子供時代は、豊かで贅沢だったでしょうが、
それは、親の財産によって、豊かで贅沢な生活だったのです。
 こうした子供が大人になると、どうなるか。
こうした子供でも大人になれば、
今度は、自分の財産によって生活をしていかなければなりません。
そうすると、子供時代に比べて、
生活が苦しい、あるいは貧乏になったと感じるのです。
 このように、子供時代に、贅沢を覚えてしまうことは、
子供にとって不幸なことです。
 最近は、リストラや給料カットで生活が苦しくなったため、
少子化が進行していると考える人もいるでしょう。
 確かに、そのとおりかもしれない。
しかし、本質的な問題があると思います。
 私の父親は、よく言います。
「昔は、日本が貧かったので、食べ物がなくて困ったものだ。
毎日、食べ物のことを心配していた。」
 私の父親は、7人兄弟です。
7人が協力して、厳しい時代を生き抜いてきたのです。
 この時代は、物質的には貧しかったでしょうが、
精神的には豊かだったのです。














































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