清水の舞台 2009 6 21

書名 世界はいつまでドルを支え続けるか
著者 田村 秀雄  扶桑社新書

 これは、以前も書きましたが、
「腐っても鯛」という「ことわざ」を英訳するには、どうするか。
直訳すれば、大きな誤解を生むでしょう。
 しかし、意訳は難しい。
まず、日本の食文化を説明する必要があります。
さらに、日本人の「鯛」に対する思い入れを説明して・・・・・。
これでは、ことわざではなくなってしまいます。
 しかし、最近は、これを説明するには、
ちょうどよい経済環境になったのです。
双子の赤字、金融危機。
それでもドルは「腐っても鯛」。
 さて、この本にも出てきますが、
円建て米国債を検討すべきでしょう。
一般的な日本人は、ドル建て米国債は買いにくいでしょうが、
円建て米国債ならば買うでしょう。
米国企業のドル建て社債は売れなくても、
円建て社債は売れるのと同じ理屈です。
 これは、日本人の国民性に近いものがあるかもしれません。
東京は、国際都市になったのに、ドルが通用する店は少ないでしょう。
おそらく、東京で、ドルで買い物ができる店は、少ないか、ほとんどないでしょう。
 ところで、中国が、人民元建て米国債を決断すれば、
国際通貨体制において、劇的な変化があるでしょう。
 もちろん、それは、今の中国共産党指導部にとっては、
それこそ、「清水の舞台から飛び降りる」ような覚悟が必要でしょう。
しかし、人民元の国際化を図るには、そういう決断も必要かもしれません。
 また、外国人にはわかりにくい「ことわざ」を使ってしまいました。
しかし、前後の文脈から、どういう意味か、わかると思います。


















































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