角を矯めて 2008 10 4

 「角を矯めて牛を殺す」とは、
少しの欠点を直そうとして、その手段が度を過ぎ、
かえって物事全体をだめにしてしまうこと(広辞苑)。

ITバブル→不動産バブル→証券化バブル→?

 アメリカは、人工的にバブルを作り、
日本は、人工的に不景気を作る。
それを、日本人は「官製不況」と呼ぶ。
 日本は、サブプライム危機において軽症だったので、
大いなるチャンスが到来するはずだったのです。
 しかし、「官製不況」によって、
出鼻をくじかれることなってしまったのです。
 もちろん、これは、官僚を非難しているわけではありません。
「政治家のリーダーシップの不在」を指摘しているのです。
 官僚というものは、業界で不祥事が起きれば、
自分たちが非難されるので、
どうしても、行政指導が「角を矯めて牛を殺す」ことになってしまうのです。
つまり、たとえ一部の業者の不正であっても、
本能的に、再発防止のために、つい業界全体を規制してしまうのです。
 だから、そこは、政治家が、大所高所から判断すべきところだったのですが、
結局、政治家も、「角を矯めて牛を殺す」ことに加担してしまったのです。
これでは、経済活動は萎縮するでしょう。
(過去に書いたことを、もう一度掲載します)
 官製不況の原因として、市場関係者から悪名高いのが、
建築基準法の改正、金融商品取引法の制定でしょう。
 一部の業者が耐震強度の偽装をしたことにより、
建築基準法改正による規制強化。
 金融商品取引法も理念とは裏腹に、官製不況の原因となりました。
これは、私も、いやな経験をしました。
昨年の12月末、地方銀行で投資信託を買おうとしたら、どうなったか。
金融商品の説明やリスクの説明に、2時間もかかりました。
銀行員は、「金融商品取引法によって、
このような長時間の説明が必要」と言うのです。
 これでは、うんざりして投資信託を買う気がなくなります。
2時間も説明を受けないと買えない投資信託なんて・・・・・。
 世間では、官製不況と言われていますが、
法改正や法律制定は、国会で審議する訳ですから、
本当は、官製不況というより、「政治家による不況」、
あるいは「政治家が引き起こした不況」と言っていいでしょう。
 官僚というものは、業界で不祥事が起きれば、
自分たちが非難されるから、
本能的に、たとえ一部の業者の不正であっても、
再発防止のために、つい業界全体を規制してしまいます。
 だから、そこは、政治家が規制強化の是非について、
十分に審議すべきだったのですが、
結局、官僚と一緒になって、規制強化してしまいました。




















































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