ウォール街のニンジン 2009 5 10

 気のせいかもしれませんが、
「アメリカ人の価値観」という記事の中で、
りそな銀行の銀行員のことを取り上げたら、
アメリカでは、公的資金について、返済する動きが加速しています。
 ちょっと心配なのは、
公的資金を返済した結果、貸し渋りが起きるのでは、
元も子もなくなるというものです。
 目の前に、ニンジンがぶら下がってないと、
やる気が起きないウォール街の文化。
こうしたウォール街に対して、カンカンに怒っている世論。
このバランスを取るのが、難しいところです。
 たとえ巨額のボーナスを払っても、金融危機を解決できれば、
安くあがるというのも事実でしょう。
 しかし、自分で金融危機を起こしておいて、
「今回の金融危機を解決するには、巨額のボーナスが必要」と言われて、世論は納得するか。
 しかし、この金融危機を解決するには、ウォール街の技術が必要なのも事実でしょう。
さて、どうやって、世論を納得させるか、難しいところでしょう。
 「我々を倒産させると、大変なことになるぞ」と、
さんざん自動車会社に脅された連邦政府にとって、これまた頭の痛い問題でしょう。

アメリカ人の価値観 2009 3 22
 2003年、りそな銀行は、経営再建のために、
巨額の公的資金の注入を受けました。
 経営の失敗を税金で救済する事態になったわけですから、
りそな銀行の銀行員は、ボーナスなし、給料カットとなりました。
高給取りだった銀行員の家庭も、これでは生活が苦しくなりましたので、
急遽、妻がパートで働くなど、大変な苦労をしたと聞いています。
なかには、それでも、生活が苦しくて、
銀行から「緊急融資」を受ける銀行員もいたそうです。
 それでも、りそな銀行の銀行員は、
銀行の再建を目指して、日夜、努力したのです。
 そんな銀行員の姿を見て、多くの国民は、
巨額の税金を使うことに納得したのです。
 ビル・トッテン氏は、著書の中で、
アメリカ型社会について、こう嘆いています。
「こういう社会では、カネが唯一の価値観になる。
そんな大人の姿を見せておいて、
子供に『お金よりも大切なものがある』と教えたところで、
信じろという方に無理がある」
 逆境の中でこそ、アメリカ型社会の正体は、わかるのです。
アメリカ人よ、
ビル・トッテン氏が言っていることは、
「嘘だ」と、行動で示してほしい。
 アメリカにおける金融危機と再建は、
世界中の人々が、注目をしているのです。
くれぐれも、全世界に恥をさらすようなことはしないように。
















































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