文科系が国を滅ぼす 2008 11 9

 現在、アメリカでは、巨大製造業が瀕死の危機と聞きます。
仮に、破綻しても、株式市場には、大きな影響はないかもしれません。
すでに破綻は織り込み済みだからです。
それは、株価が証明しているでしょう。
 おそらく、今回、政府が救済しても、
数年後には、また破綻の危機を迎えるでしょう。
 経営が苦しくなると、政府に救済を求め、
経営に余裕ができると、M&Aに夢中になる。
それが経営なのか?
 私は、2004年に、
「『文科系』が国を滅ぼす」(大槻義彦著)という本を紹介しました。
 本の趣旨とは違うかもしれませんが、
「文科系が国を滅ぼす」という法則は、正にアメリカに当てはまるかもしれません。
 アメリカの経営者は、生産技術の重要性を理解しているのか。
あるいは、技術革新の重要性を理解しているのか。
 さて、近年、アメリカでは、理科系のエリートも文科系になってしまったのです。
彼らは、メーカーに就職することなく、金融業に就職するケースが増えたと聞きました。
そこで、金融工学という技術を駆使して、複雑な証券化商品を製造したのです。
彼らは、こう反論するかもしれません。
「我々は、投資銀行に就職したけれど、金融商品製造工場で働いた」と。
 はたして、これが国を強くするのでしょうか。
人間に一生があるように、国家にも一生があります。
農業国家→教育国家→工業国家→金融国家→観光国家もしくは文化国家。

経営学修士 MBA 2004 3 29
 日本では、MBA(経営学修士)留学の人気が、
最近も、若手ビジネスパーソンの間で高まっていると聞きました。
 それに対し、私は、異論を表明したいと思います。
私が言いたいのは、こういうことです。
経営者たちは、科学技術や技術革新を、どう見ているか。
 コンピューターの世界では、
ドッグイヤーと言われるように、
1年前の技術が、もう昔の技術となってしまうことがあります。
それほど、技術革新が激しいと言えます。
 現実に、過去のコンピューターメーカーやソフトウェアメーカーを見てみると、
企業の方が、あまりにも早い技術革新についていけず、
市場から消えていったケースがあるのです。
 これは、社員には責任がありません。
経営者が、あまりにも早い技術革新についていけず、
あっという間に、会社が、時代遅れのものとなってしまったのです。
 社員が、画期的な技術革新を発明しても、
経営者が、それを画期的だと見抜けず、見捨ててしまったケースもあるでしょう。
 それを知ったライバル会社や新興企業が、その社員を引き抜いて、
あっという間に、業績が向上し、大企業となったケースもあります。
 このような話は、コンピューター業界では、いくらでも聞きました。
これからは、他の業界も、そうなるでしょう。
 だから、経営者になろうとするならば、
科学技術や生産技術を学ぶべきです。
21世紀は、科学技術の時代になるのです。
日本としては、技術立国を目指すべきです。
 それなのに、経営者が、
科学技術も理解できない、
生産技術も理解できない、
技術革新も理解できないという状況では、
会社が、あっという間に、時代遅れのものとなります。
 むしろ、MBA留学すべきは、技術者の方です。
日本では、ハイテク企業に、技術者出身の経営者が多いですから。
(参考)
ドッグイヤー Dog Year 
 IT技術は、過去に、人類が経験したことがないスピードで進歩していくのです。
そのスピードをたとえて、
犬が、1年に7歳、年を取るということから、
ドッグイヤーと言われています。

















































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