関税の時代 2025 8 30
「自由貿易の結果、誰が儲かったのか」
それは、経営者や投資家でしょう。
アメリカ国内の工場を閉鎖して、
メキシコに工場を建設する。
これで株価は上昇して、
経営者の報酬も増える。
メキシコの人件費は安いので、
企業の利益は増え、株価も上昇する。
アメリカの工場で働いていた労働者は、
職を失い、どうなったのか。
自由貿易で損をしたのは、中間層でしょう。
こうなることはわかっていたのに、
政治家は、グローバル企業と結びついて、
国民全体の利益ではなく、
経営者や投資家の利益を図る。
政治家は、政治献金が欲しかったでしょう。
経営者や投資家だけ儲かる自由貿易はやめるべきです。
国民の多くが儲かる貿易体制があればよいのですが、
当面は、関税で国内産業を守るしかないでしょう。
Flyover country 2018 10 6
「超一極集中社会アメリカの暴走」(小林由美)という本には、
このようなことが書いてあります。
アメリカ国民は、富の集中や金権政治にうんざりしています。
労働者の味方だったはずの民主党が、
クリントン政権の頃から都市の進歩派富裕層を主要な資金源に取り込み、
彼らの利益を代表するようになりました。
アメリカは、「Flyover country」(上空を飛ぶ国)になって、
つまり、権力者も資金も、東海岸と西海岸を飛行機で往復するだけで、
その空路の下にある大陸中央部は、完全に無視され、馬鹿にされている。
中西部や南部の労働者は、生活困窮の原因をそのように認識していました。